制度はあるが、事業所を選ばないと使えない
介護保険のサービス費が4分の1安くなる制度があります。ただし使えるのは、「軽減の申出をしている社会福祉法人が実施するサービス」だけです(埼玉県)。同じ訪問介護でも、事業所がこの申出をしていなければ、条件を満たしていても軽減されません。ここが見落とされやすいところです。
収入と預貯金の基準
公表されている要件(2026年9月12日確認)
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 年間収入 | 世帯の年間収入が150万円以下。世帯員が1人増えるごとに50万円を加算 |
| 預貯金等 | 世帯の預貯金等の額が350万円以下。世帯員が1人増えるごとに100万円を加算 |
| 資産 | 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がない |
| 扶養 | 負担能力のある親族等に扶養されていない |
| 保険料 | 介護保険料を滞納していない |
| 住まい | 養護老人ホームに入所していない |
| 課税 | 世帯全員が市町村民税非課税 |
出典:大阪市・埼玉県の公表内容(2026年9月12日確認)。基準は実施主体ごとに異なることがあります。
「世帯員が1人増えるごとに」という加算があるので、ひとり暮らしの150万円/350万円だけを見て諦める必要はありません。2人世帯なら収入200万円・預貯金450万円までが目安になります。
ここでいう世帯は住民票の世帯です。同居していても世帯が別なら扱いが変わることがあるため、窓口で確認してください。
いくら安くなるか
軽減される割合
| 対象 | 軽減割合 |
|---|---|
| 低所得世帯(上の要件を満たす人) | 利用者負担額の4分の1 |
| 老齢福祉年金受給者 | 利用者負担額の2分の1(埼玉県) |
| 生活保護受給者 | 個室の居住費について利用者負担額の全額(大阪市) |
出典:大阪市・埼玉県の公表内容(2026年9月12日確認)。
「4分の1」は自己負担が4分の1になるのではなく、自己負担のうち4分の1が軽減されるという意味です。1割負担の人なら、その1割部分の4分の1が減ります。
老齢福祉年金を受けている場合は2分の1になります。老齢福祉年金は明治44年4月1日以前生まれなど限られた人が対象の年金です。
対象になるサービス
埼玉県が挙げている13種類
- 訪問介護
- 通所介護
- 短期入所生活介護
- 介護老人福祉施設
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- 複合型サービス
- 地域密着型通所介護
- 第1号訪問事業
- 第1号通所事業
訪問看護・福祉用具貸与・住宅改修は入っていません。この制度は「社会福祉法人が提供する対人サービス」が中心です。
福祉用具や住宅改修の負担を軽くする方法は別にあります。→ 受領委任払い/福祉用具購入費の受領委任払い
事業所を選ばないと使えない
埼玉県は「軽減の申出をしている社会福祉法人が実施するサービスにのみ、当制度は適用される」としています。つまり制度の側で「どの事業所でも使える」とは保証されていません。
いま使っている事業所が申出をしていなければ、確認証を持っていても軽減は受けられません。先に事業所を確認してから申請する順番のほうが、無駄がありません。
順番
- 収入と預貯金の基準に当てはまるか、おおよそ見る世帯員が1人増えるごとに収入50万円・預貯金100万円が加算されます。
- 使いたい事業所が軽減の申出をしているか確かめる市区町村が実施法人の一覧を持っていることがあります。
- 市区町村に申請する大阪市は「社会福祉法人等による利用者負担軽減対象者確認申請書」と「収入等申告書」を挙げています。
- 確認証を受け取る受け取った確認証を事業所に提示します。
申請に要るもの
大阪市が挙げているもの
- 社会福祉法人等による利用者負担軽減対象者確認申請書
- 収入等申告書
- 介護保険被保険者証
- 年金支払通知書など収入確認書類
- 必要に応じた添付書類
預貯金の確認があるため、通帳の写しを求められることがあります。世帯全員分になることがあります。
ほかの負担軽減の仕組みは別にまとめています。→ 高額介護サービス費/高額医療・高額介護合算療養費
よくある取りこぼし
ひとり暮らしの150万円だけを見て諦めた
世帯員が1人増えるごとに50万円が加算されます。預貯金も100万円ずつ加算されます。
確認証をもらったのに安くならなかった
軽減の申出をしている社会福祉法人のサービスにしか適用されません。事業所を先に確認します。
自己負担が4分の1になると思った
自己負担額の4分の1が軽減される、という意味です。
介護保険料を滞納していた
「介護保険料を滞納していない」ことが要件に入っています。
子に扶養されていた
「負担能力のある親族等に扶養されていない」ことが要件です。
福祉用具や住宅改修にも使えると思った
対象は訪問介護・通所介護・短期入所などの対人サービスです。
確認に使った一次情報
いずれも2026年9月12日に確認した公表内容です。収入・預貯金の基準、軽減割合、対象サービスは実施主体ごとに異なることがあります。
よくある疑問
だれが申請しますか。
収入には年金も入りますか。
同居の子の収入も見ますか。
どこの事業所が対象か分かりますか。
高額介護サービス費と両方使えますか。
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一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。