本ページはアフィリエイト広告を利用しています。制度の記載は一般的な説明であり、個別の適用はケアマネジャー・保険者にご確認ください。

上限を超えた分は戻る。ただし申請しないと1円も戻らない

介護保険の自己負担には、1か月ごとの上限額があります。超えた分は申請すれば戻ってきます。ところが「使った月から案内が届くまで2か月以上あく」「対象にならない費用が多い」「時効は2年だが起算日が3通りある」という具合に、取りこぼしやすい作りになっています。ここを整理します。

本ページは制度の一般的な整理です。対象・金額・品目は市区町村ごとに異なり、年度ごとに改定されます。実際の申請にあたっては、お住まいの市区町村の窓口(障害福祉担当・高齢福祉担当)、または担当のケアマネジャー・相談支援専門員にご確認ください。税の取り扱いは税務署にご確認ください。
このページの内容
  1. なぜ気づかないのか
  2. 上限額の区分
  3. 対象にならない費用
  4. 申請は初回だけでよい
  5. 時効2年と、3通りの起算日
  6. 負担限度額認定との違い
  7. 確認の順序
  8. よくある疑問

なぜ気づかないのか

この制度で取りこぼしが起きるのは、3つの時間差があるからです。

気づけない3つの理由

案内が届くのは、使った月の2か月以上あと

名古屋市は「おおむねサービス利用月の2か月後以降にご案内をお送りしています」としています。使った月に何も来ないので、対象になったこと自体に気づきません。

毎月申請するものだと思ってしまう

実際は初回だけ申請すればよい自治体が多いのですが、そう書かれていないと「毎月やるのは大変だから」と最初から諦めてしまいます。

引き落とし額を見ていない

施設や事業所への支払いは口座引き落としが多く、月ごとの自己負担の合計を自分で足している人はほとんどいません。上限を超えているかどうかを、自分では判断できない状態になっています。

判断するのは市区町村です。超えていれば向こうから案内が来ます。ただし住所や口座の情報が古い、年度途中で保険者が変わった、といった場合は届かないことがあります。

上限額の区分

上限額は所得の区分で決まります。名古屋市が公表している区分は次のとおりです。

1か月あたりの負担上限額(名古屋市の公表内容より)

区分上限額
生活保護を受けている方など15,000円(個人)
世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金を受けている方15,000円(個人)
世帯全員が市町村民税非課税24,600円(世帯合計)
課税所得380万円未満44,400円
課税所得380万円以上690万円未満93,000円
課税所得690万円以上140,100円

区分の名称と金額は市区町村の公表資料で確認してください。世帯の課税状況で変わるため、同じ介護度でも上限額は人によって違います。

「世帯合計」と書かれている区分がある点に注意してください。同じ世帯に介護保険を使っている方が2人いる場合、2人分の自己負担を合わせて上限と比べます。ところが、申請は別々に必要です。佐世保市は「同一世帯に複数利用者がいる場合、それぞれ申請が必要です」としています。合算するのに申請は別、というねじれがあります。

対象にならない費用

ここがいちばんの落とし穴です。施設や事業所に払っている金額のうち、この制度の対象になるのは一部です。

対象になるもの/ならないもの(名古屋市の公表内容より)

扱い内容
対象になる介護保険のサービスを使ったときの利用者負担(1割〜3割)
対象にならない福祉用具の購入にかかる負担
対象にならない住宅改修にかかる負担
対象にならない施設における居住費・食費
対象にならない理美容代などの日常生活に要する実費
対象にならない配食サービスにかかる負担 など

施設に入っている場合、請求書の金額のうち居住費と食費が大きな割合を占めます。その部分はこの制度では戻りません。

「施設に月15万円払っているのに、上限44,400円を超えた分が戻ってこない」という誤解は、ここから生まれます。15万円のうち、介護保険の利用者負担にあたる部分だけが対象です。居住費・食費・日常生活費は別枠です。

居住費と食費を下げたい場合は、この制度ではなく別の制度になります。そちらは負担限度額認定です。2つは名前が似ていますが、対象がまったく違います。

申請は初回だけでよい

名古屋市は次のように示しています。

初回のみ申請いただければ、以後は限度額を超過した月ごとに、自動的に口座に振り込まれます。

1回出せば、以降は自動です。毎月書類を出す必要はありません。ここを知らずに「手続きが面倒だから」と最初の1回を出さないでいると、該当した月すべてが未申請のまま流れます。

最初の1回で確認しておくこと

時効2年と、3通りの起算日

過去分をさかのぼれるかどうかは、起算日で決まります。佐世保市は次のように示しています。

サービス提供月(利用した月)の翌月の1日(勧奨通知を送付した場合は通知が到着した日の翌日)を起算日とし、2年間です。

さらに、支払った時期によっても変わります。

その支払った翌日が起算日となり、そこから起算して2年間請求権があります。

起算日の3通り(佐世保市の公表内容より)

状況起算日
通常サービスを利用した月の翌月1日
市区町村から勧奨通知が送られた通知が到着した日の翌日
自己負担分を、利用した月の翌月1日以降に支払った支払った日の翌日

起算日が後ろにずれるほど、請求できる期間も後ろにずれます。「2年前だからもう無理」と決めつける前に、いつ支払ったかを確認してください。

「もう2年過ぎた」と思っても、支払った日が遅ければ、まだ請求できる場合があります。領収書か引き落としの記録で、いつ払ったかを先に確認してください。

負担限度額認定との違い

名前が似ていて、混同されます。効く場所がまったく違います。

2つの制度の違い

高額介護サービス費負担限度額認定
何が下がるか介護保険の利用者負担(1〜3割)のうち、月の上限を超えた分施設の居住費と食費
どこで使えるか在宅・施設どちらも特養・老健・介護医療院・ショートステイ
お金の動きいったん払って、あとから戻るはじめから請求額が下がる
主な条件所得区分による上限額世帯全員が住民税非課税で、預貯金が基準以下
申請初回のみ(自治体による)毎年(有効期間は原則その年の7月31日まで)

両方に当たることがあります。片方を使っているからもう片方は関係ない、ということはありません。

確認の順序

この順で確認すると、抜けません

  1. 直近3か月の支払額を並べる施設や事業所からの請求書、または引き落としの記録を見ます。介護保険の利用者負担にあたる部分がいくらかを、請求書の内訳で確認します。
  2. 自分の区分の上限額を確認する市区町村の公表資料か窓口で、世帯の課税状況にもとづく上限額を聞きます。
  3. 超えている月があるのに案内が来ていないなら、窓口に聞く住所や口座の情報が古い、年度途中で保険者が変わった、といった理由で届いていないことがあります。
  4. 過去分があるなら、支払った日を確認する起算日が3通りあります。「2年前だから無理」と決める前に、いつ払ったかを見てください。
  5. 初回の申請を出す以降は自動振込になる自治体が多いため、ここを越えれば手続きは終わりです。

よくある取りこぼし

施設の請求額全体で上限と比べてしまう

居住費・食費・日常生活費は対象外です。請求書の内訳で「介護保険の利用者負担」の行を見てください。全体で比べると、超えているのに気づかない、または超えていないのに期待してしまいます。

毎月申請が必要だと思って諦める

初回のみでよい自治体が多いです。1回出せば以降は自動で振り込まれます。

案内が来ないから対象外だと判断する

案内は利用月の2か月以上あとです。また、住所や口座の情報が古いと届きません。心当たりがあれば窓口に確認してください。

世帯に2人いるのに、1人分しか申請しない

上限は世帯で合算されますが、申請はそれぞれ必要とされている自治体があります。合算されるから1枚でよい、とは限りません。

2年過ぎたと思い込む

起算日は、利用した月の翌月1日/勧奨通知が届いた日の翌日/支払った日の翌日の3通りです。支払いが遅かった分は、まだ間に合うことがあります。

制度で戻らない部分を、必要な分だけ頼む

居住費や食費、日常生活の実費はこの制度では戻りません。介護保険で頼めない付き添いや家事を、必要な時間だけ頼む選択肢もあります。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。面談・相談は無料。広告(PR)を含みます。

よくある疑問

よくある疑問

いくら戻りますか。

その月の介護保険の利用者負担の合計から、区分ごとの上限額を引いた額です。上限額は世帯の課税状況で決まるため、同じ介護度でも人によって違います。

施設に月15万円払っています。上限44,400円を超えた分が戻りますか。

15万円のうち、介護保険の利用者負担にあたる部分だけが対象です。居住費・食費・日常生活に要する実費は対象になりません。請求書の内訳で確認してください。

福祉用具を買った分も対象になりますか。

福祉用具の購入にかかる負担は対象外とされています。住宅改修も同様です。

毎月申請が必要ですか。

初回のみ申請すれば、以後は上限を超えた月ごとに自動的に振り込まれるとしている自治体があります。お住まいの市区町村の案内を確認してください。

案内が届きません。対象外ということですか。

案内はおおむね利用月の2か月後以降です。それを過ぎても届かない場合、住所や口座の情報が古い、年度途中で保険者が変わった、といった理由が考えられます。窓口に確認してください。

過去の分もさかのぼれますか。

時効は2年です。ただし起算日が、利用した月の翌月1日/勧奨通知が到着した日の翌日/自己負担分を支払った日の翌日の3通りあります。支払いが遅かった月は、まだ請求できることがあります。

負担限度額認定と何が違いますか。

高額介護サービス費は介護保険の利用者負担が対象で、いったん払ってから戻ります。負担限度額認定は施設の居住費と食費が対象で、はじめから請求額が下がります。両方に当たることもあります。

同じ世帯に利用者が2人います。1回の申請で済みますか。

上限額は世帯で合算されますが、申請はそれぞれ必要としている自治体があります。窓口で確認してください。

本人が亡くなったあとに振り込まれる分はどうなりますか。

受け取りの手続きは自治体によって扱いが異なります。相続人からの請求になる場合があるため、早めに窓口へ相談してください。

医療費が高額なときの制度と合わせられますか。

医療と介護の自己負担を年単位で合算する別の制度があります。窓口で「高額医療・高額介護合算療養費の対象になりますか」と聞いてください。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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