本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載情報は各社公式サイトの公表値です。

施設は、この制度を教えてくれるとは限りません

介護保険の施設に入ると、介護サービス費のほかに食費と居住費(部屋代)がかかります。これを下げる制度が「負担限度額認定」です。ところがこの制度、申請した月の初日からしか適用されません。入所してから半年後に知っても、その半年分は戻ってきません。

本ページは制度の一般的な整理です。判定の基準・自己負担・取り扱う品目は市区町村や事業所により異なります。実際の手配にあたっては、病院の医療相談室(MSW)、担当のケアマネジャー、市区町村の窓口にご確認ください。
このページの内容
  1. 何が下がるのか
  2. 対象になる施設・ならない施設
  3. 2つの要件
  4. 段階と預貯金の基準
  5. さかのぼらない
  6. 毎年8月に切れる
  7. なぜ自分から聞く必要があるのか
  8. よくある疑問

何が下がるのか

介護保険の施設に入ったときにかかる費用は、大きく3つに分かれます。

施設でかかる費用の内訳

費目内容負担限度額認定で下がるか
介護サービス費介護そのものの費用。所得に応じて1〜3割負担×(高額介護サービス費という別の制度があります)
食費1日あたりで決まっています○ 下がります
居住費(部屋代)多床室・従来型個室・ユニット型個室で額が違います○ 下がります
日常生活費理美容代、日用品、レクリエーション費など×

正式には「特定入所者介護サービス費」といいます。市区町村に申請して「負担限度額認定証」を受け取り、施設に提示すると、その月の初日から食費と居住費が軽減されます。

対象になる施設・ならない施設

ここを間違えると、施設選びの前提が変わります。

対象の範囲

対象
○ 対象になる特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)/介護老人保健施設/介護医療院/ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)
× 対象にならない有料老人ホーム/サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)/グループホームなど

ショートステイが対象に入っているのは見落とされがちです。在宅で介護しながら定期的にショートステイを使っている場合も、要件を満たせば食費・居住費が下がります。

逆に、有料老人ホームやサ高住はこの制度の対象外です。月額の見積もりを比べるときは、「この施設は負担限度額認定が使えるか」を条件に入れてください。同じ月額でも、認定が使える施設なら実際の支払いは下がります。

2つの要件

要件は所得と資産の2本立てで、両方を満たす必要があります。

要件

内容見落としやすい点
所得の要件世帯全員が住民税非課税であること配偶者は別世帯でも見られます。世帯分離をしても、配偶者が課税されていれば対象外です
資産の要件預貯金等が段階ごとの基準額以下であること通帳の写しは申請日の直近から2か月前までの履歴が求められます

「世帯分離すれば通る」という話を聞くことがありますが、配偶者については別世帯でも判定に入ります。ここが最も多い誤解です。

預貯金等には、普通預金・定期預金のほか、有価証券や現金なども含まれます。申請の直前に動かしても、2か月分の履歴で分かる仕組みです。虚偽の申告は、あとで加算金を含めた返還を求められることがあります。

段階と預貯金の基準

利用者負担段階と預貯金等の基準額(確認した自治体の公表値)

段階所得の目安単身夫婦
第1段階生活保護受給者等制限なし制限なし
第1段階老齢福祉年金受給者1,000万円以下2,000万円以下
第2段階合計所得+年金収入が 82.65万円以下650万円以下1,650万円以下
第3段階①82.65万円超 〜 120万円以下550万円以下1,550万円以下
第3段階②120万円超500万円以下1,500万円以下
第4段階上記に当たらない対象外

段階が下がるほど負担額は小さくなります。金額は自治体と年度で改定されるため、申請時点の数字を窓口で確認してください。第3段階が①②に分かれているのは、令和3年8月からの取り扱いです。

さかのぼらない

この制度でいちばん取り返しがつかないのが、ここです。

適用の始まり

内容
有効期間申請した月の初日から、翌年7月31日まで
さかのぼりありません。申請より前の月の分は軽減されません

4月に入所して10月に申請すると、4月から9月までの6か月分は、軽減されない額のままです。「申請した月の初日から」なので、月の途中で申請してもその月は全部対象になります。月をまたぐ前に出すのが得です。

入所が決まったらこの順で動く

  1. ① 施設が対象かを確認する特養・老健・介護医療院・ショートステイなら対象。有料老人ホーム・サ高住は対象外です。契約の前に確認してください。
  2. ② 世帯全員と配偶者の課税状況を確認する配偶者は別世帯でも見られます。課税されていれば対象外なので、ここで分かれば手間が省けます。
  3. ③ 預貯金等を集計する通帳の写しは申請日の直近から2か月前までの履歴が要ります。複数口座があれば全部そろえます。
  4. ④ 市区町村の介護保険の窓口に申請する入所した月のうちに出す。1か月遅れれば1か月分が消えます。
  5. ⑤ 認定証が届いたら施設に提示する提示して初めて請求額に反映されます。受け取っただけでは変わりません。
  6. ⑥ 毎年7月に更新の案内を確認する有効期間は7月31日まで。更新しないと8月から軽減がなくなります。

毎年8月に切れる

有効期間は翌年の7月31日までです。毎年更新が必要で、更新を忘れると8月分から軽減がなくなります。

更新の案内は市区町村から届きますが、本人あての郵便が施設に届いている場合、家族が気づかないことがあります。施設に「役所からの郵便はどう扱われるか」を確認し、7月に更新があることを家族のカレンダーに入れておいてください。

なぜ自分から聞く必要があるのか

この制度は、施設が必ず案内してくれるとは限りません。理由を知っておくと、動き方が変わります。

案内されにくい理由

施設にとっては手続きが増える

認定証の確認と請求処理が発生します。案内しても施設の収入は増えません。悪意ではなく、優先順位の問題です。

預貯金の話は施設から切り出しにくい

資産の申告が要る制度なので、施設側から「預貯金はいくらですか」とは聞きにくい。家族から聞くほうが早いです。

入所の手続きが立て込んでいる時期に重なる

契約、健康診断書、身元引受人。そこに一つ増えると流れます。だから自分でカレンダーに入れる。

施設探しの情報サイトは「入居後に費用を下げる話」を扱いにくい

紹介が仕事なので、入居前の比較が中心になります。入居後の手続きは記事になりにくい領域です。

聞く相手は、施設ではなく市区町村の介護保険の窓口か、担当のケアマネジャーです。「負担限度額認定の対象になりますか」の一言で足ります。

施設に入るまでの間、在宅で足りない部分を埋める

入所を待つ間の付き添いや家事は、保険外のサービスで対応できます。相談・見積もりは無料です。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。面談・相談は無料。広告(PR)を含みます。

入院してすぐやること車いすはどちらの制度で用意するか在宅の重度の方への手当手帳がなくても使える所得控除おむつ・用具の費用が出る制度

よくある失敗

入所してから何か月も経って申請する

申請した月の初日からで、さかのぼりません。入所した月のうちに出す。これだけで数万円単位で変わります。

世帯分離すれば通ると思う

配偶者については、別世帯でも課税状況が見られます。世帯分離だけでは要件を満たしません。

有料老人ホームで使えると思って見積もる

対象は特養・老健・介護医療院・ショートステイです。施設を比べる段階で、この違いを条件に入れてください。

認定証を受け取っただけで安心する

施設に提示して初めて請求に反映されます。届いたらすぐ渡してください。

7月の更新を忘れる

有効期間は7月31日まで。更新しないと8月分から全額に戻ります。本人あての郵便が施設に届く場合はとくに注意。

ショートステイでは使えないと思い込む

ショートステイも対象です。在宅介護で定期的に使っている場合、申請していないと損をしています。

よくある疑問

入所前に申請できますか。

適用は申請した月の初日からです。入所の予定が決まっている場合の申請の可否とタイミングは、市区町村の窓口で確認してください。入所してから動くより早く相談するほうが安全です。

預貯金はどこまで申告しますか。

普通預金・定期預金のほか、有価証券や現金なども含まれます。通帳の写しは申請日の直近から2か月前までの履歴が求められます。対象範囲は窓口で確認してください。

配偶者と世帯を分けています。対象になりますか。

配偶者については、別世帯であっても住民税の課税状況が判定に入ります。配偶者が課税されている場合は対象になりません。

ショートステイでも使えますか。

使えます。短期入所生活介護・短期入所療養介護が対象に含まれています。在宅で介護しながら定期的に利用している場合も確認してください。

有料老人ホームやサ高住は対象外ですか。

この制度の対象は介護保険施設とショートステイです。有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームは対象になりません。

介護サービス費そのものは下がりませんか。

この制度が下げるのは食費と居住費です。介護サービス費の自己負担には「高額介護サービス費」という別の制度があります。あわせて窓口で確認してください。

親の入院・退院後の生活ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

関連する情報サイト