本ページはアフィリエイト広告を利用しています。制度の記載は一般的な説明であり、個別の適用はケアマネジャー・保険者にご確認ください。

20万円は一度に使い切らなくていい

介護保険の住宅改修費は生涯で20万円です。この「生涯」という言葉から、一度きりの一発勝負だと思い込んでしまう人がいます。実際には分けて使えますし、条件を満たすと枠が戻ります。国の通知に書いてある範囲を整理します。

本ページは介護保険の住宅改修についての一般的な整理です。申請の様式・期限・受領委任払いの有無は市区町村ごとに異なります。実際の手続きは、担当のケアマネジャーと、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。
このページの内容
  1. 20万円という額の意味
  2. 分けて使えるか
  3. 枠が戻る2つの条件
  4. 転居した場合
  5. 3段階以上上がった場合
  6. わざと残す考え方
  7. そもそも対象になる工事
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

20万円という額の意味

厚生労働省の資料は、住宅改修の支給限度基準額をこう書いています。

生涯20万円(要支援、要介護区分にかかわらず定額)

読み取れることが2つあります。

1つ目。要介護度が上がっても額は増えません。要支援1でも要介護5でも20万円です。訪問介護などの区分支給限度基準額とは考え方が違います。

2つ目。20万円は工事費の上限であって、受け取る額ではありません。20万円の工事をした場合、保険から出るのはその9割(負担割合により8割・7割)です。手元から出る額は自己負担割合によって変わります。

20万円をどう読むか(自己負担1割の場合の考え方)

工事費保険から出る分自己負担
10万円9万円1万円
20万円18万円2万円
30万円18万円(20万円分まで)12万円(超えた10万円は全額)

自己負担割合は所得によって1割・2割・3割に分かれます。ご自身の割合は介護保険負担割合証で確認できます。

分けて使えるか

分けて使えます。20万円は「1回で使い切る券」ではなく、累計で20万円に達するまで使える枠です。

たとえば最初に玄関の手すりで8万円を使った場合、残りは12万円です。半年後に浴室の段差解消で10万円の工事をすれば、そのぶんも支給の対象になります。ただし、そのつど事前申請が必要です。一度申請したから次も自動で通る、ということはありません。

分けて使うときの流れ

  1. 1回目を事前に申請する理由書と見積書をそろえて、工事の前に申請します。
  2. 工事をして、完了の報告をするここまでで使った額が、保険者の記録に残ります。
  3. 2回目も、もう一度事前に申請する1回目の申請があるから自動で通る、ということはありません。理由書と見積書をあらためてそろえます。
  4. 残りの枠の範囲で支給される20万円から使った額を引いた分までが対象です。超えた分は全額自己負担になります。

枠が戻る2つの条件

20万円を使い切ったあとでも、枠が改めて使えるようになる場合が2つあります。厚生労働省の老企第42号に書かれています。

転居した場合には改めて支給限度基準額までの住宅改修費の支給を受けることが可能となる

介護の必要の程度の段階が3段階以上上がった場合……改めて支給限度基準額(20万円)までの住宅改修費の支給を受けることが可能

尼崎市のQ&Aも、同じことを利用者向けの言葉で書いています。

申請者の転居や要介護度が3段階以上重くなった場合は、再度、住宅改修20万円の利用が可能となります

転居した場合

住宅改修費は住宅に対して付いています。だから、住む家が変われば改めて枠が使えます。前の家で20万円を使い切っていても、引っ越した先で新しく20万円分の工事ができます。

ここで確かめておくことが3つあります。

転居でつまずくところ

同じ建物の中で部屋を移った場合

扱いは市区町村の判断によります。建物が同じなら転居に当たらないとされることがあります。動く前に窓口で確認してください。

市区町村をまたいで引っ越した場合

保険者が変わります。転入先の市区町村に、住宅改修の記録がどう引き継がれるかを確認してください。

引っ越し先が借家の場合

所有者の承諾書が必要です。契約の前に、工事の可否を大家さん・管理会社に確認しておくと安全です。

借りている家の場合の進め方は借りている家で工事するときにまとめました。

3段階以上上がった場合

もう1つが、介護の必要の程度が3段階以上上がった場合です。要介護度そのものではなく、住宅改修で使う「介護の必要の程度の段階」という区分で数えます。

介護の必要の程度の段階(住宅改修で使う区分)

段階要支援・要介護の区分
第1段階要支援1(経過的要介護を含む)
第2段階要支援2・要介護1
第3段階要介護2
第4段階要介護3
第5段階要介護4
第6段階要介護5

最初に住宅改修費を使ったときの段階を基準にして、そこから3段階以上上がったかどうかで判定します。判定の基準日と数え方は市区町村に確認してください。

注意したいのは、基準になるのは「最初に住宅改修費を使ったときの段階」だという点です。認定を受けたときの段階でも、いまの段階でもありません。数え間違えやすいところなので、窓口で「基準になるのはいつの段階ですか」と確認してください。

わざと残す考え方

ここまでを踏まえると、最初の工事で20万円を使い切らないという考え方が出てきます。

体の状態は変わります。いま必要なのは玄関の手すりでも、1年後にはトイレや浴室が問題になるかもしれません。最初に「せっかくだから全部やりましょう」と勧められて枠を使い切ると、次に本当に必要になったときに使えません。

残しておく判断が効く場面

枠は減らしても戻りません。いま必要な分だけ使うのが基本の姿勢です。

退院直後で、これから体の状態が変わりそうなとき

リハビリで歩行が改善することも、進行することもあります。当面の安全に絞って、残りを取っておく判断があります。

業者が浴室から玄関まで一括で提案してきたとき

全部が今すぐ必要かを、ケアマネジャーと一緒に見直してください。優先順位は本人の動線で決まります。

6種類に当たらない工事も見積もりに入っているとき

対象外の工事は枠を使いません。ただし全額自己負担です。どこまでが保険の対象かを分けて見積もってもらってください。

そもそも対象になる工事

介護保険で対象になる住宅改修(厚生労働省の資料にある6種類)

種類(原文)実際に頼まれることの例
(1)手すりの取付け廊下・階段・浴室・トイレ・玄関
(2)段差の解消敷居を下げる、スロープを固定する、浴室の床をかさ上げする
(3)滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更畳を板に、浴室の床を滑りにくい材料に替える
(4)引き戸等への扉の取替え開き戸を引き戸に、ドアノブをレバーに替える
(5)洋式便器等への便器の取替え和式を洋式にする
(6)その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修手すりを付けるための下地補強、床を変えるための給排水工事

出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修の概要」。名称は原文のまま。この6つに当たらない工事は、介護のためであっても保険の対象になりません。

確認の順序

20万円をむだにしないための確認

先に出すお金を10分の1にする払い方理由書は誰が書くのか工事のあとに気づいたとき20万円は何回に分けられるか借りている家で工事するとき借りるか買うかを選ぶ保険で頼めないこと一覧

工事で解決しない部分を、人の手で埋める

手すりを付けても、入浴や移動に人の手が要る場面は残ります。保険で足りない部分だけを必要な分だけ頼む方法があります。相談・見積もりは無料です。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。面談・相談は無料。広告(PR)を含みます。

確認に使った一次情報

よくある疑問

20万円は1人あたりですか、1世帯あたりですか。

被保険者ごとです。同じ家に対象の方が2人いる場合、それぞれに枠があります。ただし同じ工事を二重に申請することはできません。

使い切っていない残りに期限はありますか。

住宅改修費の枠に有効期限は設けられていません。ただし制度は改定されることがあります。

3段階上がった判定は、自動で教えてもらえますか。

自動での案内は期待できません。認定結果が変わったときに、自分で窓口に確認してください。

転居のたびに何度でも使えますか。

転居によって改めて支給限度基準額まで使えるとされています。回数の上限の扱いは市区町村に確認してください。

施設に入所したら使えますか。

住宅改修費は自宅に住んでいる方が対象です。入所中の施設の工事は対象になりません。

20万円を超える工事はできませんか。

工事自体はできます。超えた部分が全額自己負担になるだけです。見積書で、20万円までの部分と超える部分を分けてもらってください。

介護保険で頼めないことの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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