本ページはアフィリエイト広告を利用しています。制度の記載は一般的な説明であり、個別の適用はケアマネジャー・保険者にご確認ください。

通知を待っていると、知らないうちに2年が過ぎる

医療費と介護費を1年分まとめて計算し、限度額を超えた分が戻る制度があります。多くの市区町村は該当しそうな人へ案内を送りますが、その1年のあいだに引っ越した人や、加入する医療保険が変わった人には、案内が届かないことがあります。期限は基準日の翌日から2年です。ここを整理します。

本ページは制度の一般的な整理です。対象・金額・品目は市区町村ごとに異なり、年度ごとに改定されます。実際の申請にあたっては、お住まいの市区町村の窓口(障害福祉担当・高齢福祉担当)、または担当のケアマネジャー・相談支援専門員にご確認ください。税の取り扱いは税務署にご確認ください。
このページの内容
  1. どんな制度か
  2. 両方に負担がないと1円も出ない
  3. 計算期間と基準日
  4. 限度額の一覧
  5. 合算できない費用
  6. 案内が届かない人がいる
  7. 状況ごとの考え方
  8. 申請の順序
  9. よくある取りこぼし
  10. よくある疑問

どんな制度か

正式には高額医療・高額介護合算療養費といいます。同じ世帯の中で、医療保険の自己負担介護保険の利用者負担を1年分合計し、限度額を超えた分が戻ってくる仕組みです。

月ごとの上限である高額介護サービス費や、医療の高額療養費とは別の制度です。順序としては、まず月ごとの制度で戻る分を戻し、そのうえで残った自己負担を1年分合算します。横浜市は「高額療養費に該当する場合は、高額療養費の自己負担限度額の金額までが対象」「高額介護サービス費に該当する場合は、高額介護サービス費の自己負担限度額の金額までが対象」と説明しています。同じ支出を二重に数える制度ではありません。

両方に負担がないと1円も出ない

いちばん多い誤解がここです。医療保険と介護保険の両方に自己負担がある世帯が対象です。東京都後期高齢者医療広域連合は「後期高齢者医療制度または介護保険の自己負担額のいずれかが0円の場合は対象となりません」と明記しています。

対象になるかどうかの入口

その1年間の状況この制度の対象
医療費も介護費も自己負担があった対象になり得る
医療費だけで、介護保険は使っていない対象外
介護保険だけで、医療の自己負担がなかった対象外
どちらもあるが、合計が限度額に届かない支給なし
限度額を超えたが、超えた額が500円以下支給されない

「医療費が高かったから対象のはず」という理由では対象になりません。介護保険の利用者負担が0円の年は、この制度では計算が成り立ちません。

計算期間と基準日

期間は毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間です。川崎市は「毎年8月1日からその翌年の7月末までの1年間」としています。暦年(1〜12月)でも年度(4〜3月)でもない点に注意してください。

期間と窓口

項目内容
計算期間8月1日から翌年7月31日までの1年間
基準日7月31日
申請先基準日の時点で加入している医療保険
介護側の書類市区町村の介護保険担当が発行する自己負担額証明書
申請できる期間基準日の翌日から2年以内(川崎市の案内)
支給の時期大阪市の案内では、8月から受付し、12月ないし1月以降の支給

申請先は「いま加入している保険」ではなく「7月31日時点の保険」です。8月以降に会社を辞めた、後期高齢者医療に移った、という場合は、基準日の保険がどこだったかを先に確認してください。

限度額の一覧

限度額は年齢と所得で分かれます。以下は公表されている区分です。自分がどの区分に当たるかは保険者が判定します。

70歳未満(大阪市の案内より)

基礎控除後の所得1年間の限度額
901万円超212万円
600万円超901万円以下141万円
210万円超600万円以下67万円
210万円以下60万円
市町村民税非課税34万円

所得はその年度の基礎控除後の総所得金額等です。世帯の中に複数の被保険者がいる場合は、合算して判定されます。

後期高齢者医療+介護保険(東京都後期高齢者医療広域連合の案内より)

区分1年間の限度額
現役並み所得Ⅲ(課税所得690万円以上)212万円
現役並み所得Ⅱ(課税所得380万円以上)141万円
現役並み所得Ⅰ(課税所得145万円以上)67万円
一般Ⅱ56万円
一般Ⅰ56万円
区分Ⅱ(住民税非課税)31万円
区分Ⅰ(住民税非課税・所得が一定以下)19万円

住民税が非課税かどうかで31万円と56万円のあいだに大きな段差があります。世帯の課税状況が変わった年は、区分が変わっている可能性があります。

合算できない費用

領収書の合計をそのまま足すことはできません。制度の対象外の支出が相当あります。川崎市と横浜市の案内から整理すると次のとおりです。

合算に入る/入らない

区分扱い
医療保険の自己負担(保険適用分)入る
介護保険の利用者負担(保険適用分)入る
差額ベッド代入らない
入院時の食費・居住費入らない
健康診査費・予防接種費入らない
介護の利用限度額を超える自己負担分入らない
住宅改修費入らない
福祉用具の購入費入らない
施設入所時等の食費・居住費入らない

入らない費目は、いずれも「保険の給付の外にある実費」です。金額が大きい費目ほど対象外になりやすい、という点は先に知っておいたほうがいい部分です。

案内が届かない人がいる

ここがこのページでいちばん伝えたい部分です。横浜市は、「毎年8月から翌年7月末までの間に、他市町村より横浜市に転入された方、他の医療保険から国民健康保険に移られた方」については「勧奨通知が発送されない場合があります」と案内しています。

理由は単純で、市区町村は自分のところにある自己負担の記録しか持っていないからです。1年の途中で保険者が変わった人は、記録が分断されていて、該当するかどうかを市区町村側が判断できません。だから通知が出せません。

通知を待ってはいけない人

当てはまる場合は、自分から基準日時点の医療保険に問い合わせてください。そのうえで、以前に加入していた保険者と市区町村から自己負担額証明書を取り寄せることになります。横浜市も川崎市も、この証明書が必要になる場面として「転入した方」「他の医療保険から移られた方」を挙げています。

状況ごとの考え方

親が入院と介護の両方を使った年がある

医療と介護の両方に自己負担があるので、入口の条件は満たします。問題は金額です。まず月ごとの高額療養費と高額介護サービス費が適用されたあとの、残りの自己負担を1年分見てください。

案内が届いたことがない

限度額に届いていないか、通知の対象から外れているかのどちらかです。前者なら申請しても支給されませんが、後者であれば、自分から申請しない限り出ません。期間中に転居や保険の切り替えがあったかを先に思い出してください。

計算期間の途中で亡くなった

基準日(7月31日)より前に資格を失っている場合の扱いは保険者により異なります。相続人が申請できる場合があるため、加入していた医療保険に確認してください。

施設に入っていて費用が高い

施設の食費・居住費はこの制度では合算できません。そちらは負担限度額認定という別の制度で下げる形になります。合算に期待するより、そちらを先に確認したほうが金額は大きくなります。

世帯を分けている

この制度でいう世帯は同じ医療保険に加入している人の範囲です。住民票が同じでも、加入している医療保険が違えば合算できません。逆に別居していても、同じ保険の被扶養者であれば合算の対象になり得ます。

制度で戻らない部分を、必要な分だけ頼む

差額ベッド代や食費、住宅改修費は、この制度では戻りません。介護保険で頼めない付き添いや家事を、必要な時間だけ外に出す選択肢もあります。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。面談・相談は無料。広告(PR)を含みます。

申請の順序

この順に確認する

  1. その1年に、医療と介護の両方の自己負担があったか確かめる片方が0円なら対象外です。ここで終わります。
  2. 基準日(7月31日)に加入していた医療保険を特定する申請先はここです。いま加入している保険ではありません。
  3. 市区町村の介護保険担当で、介護の自己負担額証明書を申請する医療保険が国民健康保険や後期高齢者医療以外(会社の健康保険など)の場合は、この証明書を添えて申請します。
  4. 期間中に保険者が変わっていれば、前の保険者からも証明書を取る転入・転職・75歳到達などが該当します。ここを飛ばすと計算が不足します。
  5. 基準日の医療保険に支給申請書を出す大阪市はマイナンバーの記入と提示が必要としています。本人確認書類も準備してください。
  6. 支給の時期を確認する大阪市の案内では8月から受付し、支給は12月ないし1月以降です。すぐ振り込まれる制度ではありません。

よくある取りこぼし

領収書の合計で判断してしまう

差額ベッド代・食費・居住費・住宅改修費・福祉用具購入費は合算に入りません。領収書の総額が限度額を超えていても、対象額は下がります。

通知が来ないから対象外だと考える

期間の途中で転入・保険の切り替えがあった人には、通知が出せないことがあります。通知の有無は該当の有無ではありません。

いま加入している保険に申請してしまう

申請先は基準日(7月31日)時点の医療保険です。8月以降に変わっていても、申請先は変わりません。

2年の起算日を勘違いする

川崎市は「基準日(7月31日)の翌日から2年以内」としています。申請書を書いた日でも、支払った日でもありません。

500円以下でも申請すれば出ると思う

限度額を超えた額が500円以下の場合は支給されません。手間をかける前に、超過額の見当をつけてください。

月ごとの制度を申請していない

先に高額療養費と高額介護サービス費で戻る分を戻すのが順序です。そちらが未申請だと、そもそもの自己負担額の整理が進みません。

よくある疑問

計算期間はいつからいつまでですか。

毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間です。基準日は7月31日です。暦年でも年度でもありません。

医療費だけでも対象になりますか。

なりません。医療保険と介護保険の両方に自己負担があることが条件です。東京都後期高齢者医療広域連合は、いずれかが0円の場合は対象とならないと明記しています。

どこに申請しますか。

基準日(7月31日)の時点で加入している医療保険です。国民健康保険や後期高齢者医療なら市区町村の窓口、会社の健康保険なら加入先の健康保険組合や協会けんぽです。

自己負担額証明書はどこでもらいますか。

介護保険の分は市区町村の介護保険担当です。期間中に別の市区町村や別の医療保険にいた場合は、そちらの保険者からも取り寄せます。

申請の期限はありますか。

川崎市は基準日の翌日から2年以内としています。2年を過ぎた分は申請できません。

差額ベッド代は合算できますか。

できません。入院時の食費・居住費、健康診査費、予防接種費も対象外です。

住宅改修や福祉用具の購入は入りますか。

入りません。介護の利用限度額を超えた自己負担分も入りません。

いくら戻りますか。

1年間の合算額から限度額を引いた分です。限度額は年齢と所得区分で決まり、70歳未満では34万円から212万円、後期高齢者医療では19万円から212万円の幅があります。

超えた額が少ないときはどうなりますか。

500円以下の場合は支給されません。

通知が届きませんでした。対象外ということですか。

そうとは限りません。計算期間の途中で転入した方や、他の医療保険から移った方には通知が発送されない場合があると横浜市は案内しています。心当たりがあれば自分から問い合わせてください。

世帯とは住民票の世帯のことですか。

この制度では同じ医療保険に加入している範囲で考えます。住民票が同じでも加入する医療保険が違えば合算できません。

いつ振り込まれますか。

大阪市の案内では、8月から受付し、支給は12月ないし1月以降です。制度の性質上、時間がかかります。

保険で頼めない4分類月ごとの上限(高額介護サービス費)手帳がなくても使える所得控除先に払う額を10分の1にする払い方施設の食費・居住費を下げる制度腎臓・糖尿病の食事管理

介護保険で頼めないことの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

関連する情報サイト