1か所しか出していないなら、
順番が来ないのは当たり前です
近所の特養に申し込んで、半年待っている。そこが空かないかぎり、どれだけ状況が悪くなっても順番は来ません。判定で上位に来ても、空きが出なければ入れないからです。書類を直すのと同じくらい、出す先を増やすほうが効きます。
複数に申し込んでいい
申し込める施設の数に制限はありません。入所の判定は施設ごとに、その施設の入所検討委員会が行います。1か所に出したことが、他の施設の判定に影響することもありません。
ただし、申込書の出し先は自治体によって違います。各施設に直接出す市(京都市は担当のケアマネジャーを通じて各施設へ)もあれば、区の窓口で一括して受け付ける区(大田区)もあります。「何か所も回らないといけない」と思っていた人が、1か所で済むことがあります。→ あなたの市のルールは、ここで変わる
迷惑がかかるのではないか、と気にする人がいます。気にしなくて構いません。施設の側は、待機者が複数の施設に申し込んでいることを前提に運営しています。入所が決まったら、他の施設に取り下げの連絡を1本入れれば済みます。
今日できる。3か所増やす手順
施設を見学して回る必要はありません。見学はあとでできます。まず出すことが先です。
半日で3か所増やす
- ① ケアマネジャーに「申し込み先を増やしたい」と伝えるこれが最短です。地域の施設の類型・空き状況・申込書の様式を、ケアマネはだいたい把握しています。どこがいいか分からない、という状態のまま相談して構いません。
- ② 市町村の介護保険担当課で、指定事業所の一覧をもらう地域密着型(定員29人以下)は市町村が指定するので、市町村が一覧を持っています。近所の1か所しか知らなかった、という人がここで3〜5か所見つかることがあります。
- ③ 申込書を取り寄せて、同じ内容で写す1枚書けば、あとは写すだけです。10行メモを作ってあるなら、そこも同じものを写して構いません。→ 書き方
- ④ 見学は、順番が近づいてからでいい申し込みと見学は別です。見学してから決めようとすると、その間ずっと待機の列に並べません。
3か所が無理なら、1か所増やすだけでも構いません。1か所から2か所にするのが、いちばん確率を変えます。
申し込める範囲が類型で変わる
同じ「特別養護老人ホーム」でも、介護保険法は定員で2つに分けています。申し込める人の範囲が変わるので、ここだけ押さえてください。
定員で分かれる2つの類型
| 項目 | 定員29人以下(地域密着型) | 定員30人以上(広域型) |
|---|---|---|
| 介護保険法の呼び名 | 地域密着型介護老人福祉施設(第8条第22項) | 介護老人福祉施設(第8条第27項) |
| 指定する主体 | 市町村長(法第78条の2) | 都道府県知事 |
| 申し込める人 | 原則としてその市町村の被保険者 | 市町村をまたげる余地がある |
| 入所要件 | 同じ(要介護3以上/特例入所) | 同じ |
2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認しました。第8条第22項の括弧書きに「以下この項及び第二十七項において同じ」とあり、入所できる人の限定は両方にかかります。
隣の市に良さそうな施設があるなら、まず定員を見てください。30人以上なら、市町村をまたいで申し込める余地があります。29人以下なら、その市の被保険者であることが原則です。
子どもの住む市に呼び寄せたい場合は、住所地特例という別の仕組みが関わります。施設に入って住所を移しても、元の市町村が保険者であり続ける場合があります。→ 住所は変わる。保険者は変わらない
特養以外も同時に押さえる
特養だけを待つと、待っている間の受け皿がないまま時間が過ぎます。同時に押さえておくと、順番が来る前に家が持たなくなったときに逃げ場があります。
並行して検討できる施設
| 種類 | 介護保険法 | 性格 |
|---|---|---|
| 介護老人保健施設(老健) | 第8条第28項 | 在宅復帰を目指す施設。特養より入りやすいことが多い |
| 介護医療院 | 第8条第29項 | 医療の必要度が高い人が対象 |
| 特定施設入居者生活介護 | 第8条第11項 | 有料老人ホーム等で受けるサービス |
| 短期入所生活介護(ショートステイ) | 第8条第9項 | 待っている間の受け皿。回数を増やせる場合がある |
2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認しました。費用と入所要件は種類ごとに違います。組み合わせはケアマネジャーと相談してください。
とくにショートステイは、いま組めるかどうかを先に聞く価値があります。特養の順番を待つ体力を作るのは、ここです。→ 待っている間をどう持たせるか
増やしたのに、まだ連絡が来ない人へ
増やしたことが無駄だったのではありません。判定に乗る材料が、どの施設にも足りていない可能性があります。
申し込み先を増やしても、出した紙の中身が「大変です」だけなら、どの施設でも同じ判定になります。枚数を増やしたら、次は中身です。→ 申込書に何を書くと伝わるか
状況別の考え方
近所に特養が1か所しかない
見学しないで申し込むのは失礼ではないか
子どもの住む市に呼び寄せて申し込みたい
老健を勧められたが、特養を待ちたい
入所が決まったら、他を断るのが気まずい
よくある取りこぼし
1か所しか申し込んでいなかった
数に制限はありません。判定は施設ごとに別々に行われます。
見学してから申し込もうとして、半年たっていた
申込みが先です。待機の列に並んでいない間は、判定の対象にもなりません。
地域密着型に他市から申し込めると思っていた
原則としてその市町村の被保険者が対象です(法第78条の2)。
広域型でも市をまたげないと思っていた
30人以上の施設は都道府県知事の指定で、またげる余地があります。
特養だけを待っていた
老健・ショートステイを同時に組むと、待つ体力が持ちます。
入所が決まったあと、他の施設に連絡しなかった
取り下げの連絡を入れてください。次の人の順番が動きます。
よくある疑問
何か所まで申し込めますか
申込書は施設ごとに様式が違いますか
複数に出すと不誠実に見られませんか
地域密着型に他市町村の住民が入る方法はありますか
ユニット型と従来型、どちらに申し込むべきですか
このサイトは、特養の入所の決まり方を、条文と厚生労働省の通知で確かめて書いています。施設ごとの点数の付け方と、いま何番目かは、施設と市町村が持っている情報です。ここでは、その判定に何が使われるのかと、あなたの側から動かせる部分だけを書きます。
確認に使った一次情報
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第7条e-Gov法令検索
- 指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について(平成26年12月12日 老高発1212第1号)厚生労働省
- 介護保険法 第8条第22項・第27項/第51条の3(特定入所者介護サービス費)e-Gov法令検索
- 介護保険法施行規則 第17条の9(要介護状態区分)/第17条の10(特例入所)e-Gov法令検索
- 要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令 第1条第1項e-Gov法令検索
- 東京都大田区「特別養護老人ホームへの入所を希望される方へ」(優先度評価は年3回・有効期間1年・変更届)大田区
- 京都市「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の入所指針について」(申込みは各施設へ・様式4の変更届)京都市
- 老人福祉法 第11条第1項第2号(措置入所)/第20条の5e-Gov法令検索
2026年9月15日に e-Gov法令検索と厚生労働省のページで確認した条文・通知です。点数の配点は施設と自治体が作る指針で決まるため、ここでは配点を書きません。判定に何が使われるかは、上の条文と通知で確かめられます。
待つ日数は変えられない。その日々の中身は変えられる
夜間の対応、通院の付き添い、家事。家族でなくても任せられる部分だけを外に出せます。介護保険の枠の外なので、認定や区分を待つ必要がありません。
- まだ決めていない段階でも相談できます。使うかどうかは、話を聞いてから決められます
- 要介護認定や区分を問いません。介護保険の枠の外のサービスなので、認定を待つ必要がありません
- 対応範囲と料金は事業者により異なります。掲載内容は公式サイトの公表値です
特養の申し込みガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。