条文は「やむを得ない事由」としか書いていない
「特養は要介護3から」で止まっている解説が多いのですが、施行規則には要介護1・2の人についての条文が、はっきり置かれています。それが第17条の10です。ただし、中身は条文に書かれていません。
本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。実際に入所できるかどうか・順番・費用は、施設ごとの入所判定とお住まいの市町村の運用によって変わります。申込みと最終的な判断は、入所を希望する施設と市町村の介護保険担当課にご確認ください。
第17条の10の全文
「(法第八条第二十二項の居宅において日常生活を営むことが困難な者として厚生労働省令で定めるもの)
第十七条の十 法第八条第二十二項の居宅において日常生活を営むことが困難な者として厚生労働省令で定めるものは、認定省令第一条第一項第一号又は第二号に掲げる要介護状態区分に該当する者であって、その心身の状況、その置かれている環境その他の事情に照らして、居宅において日常生活を営むことが困難なことについてやむを得ない事由があると認められるものをいう。」
「認定省令第一条第一項第一号又は第二号」=要介護1と要介護2です。つまりこの条文は、要介護1・2の人を対象にしたものです。
条文を分解する
第17条の10が求めていること
- ①要介護1または要介護2であること(認定省令第1条第1項第1号・第2号)
- ②居宅において日常生活を営むことが困難であること
- ③それについて「やむを得ない事由」があると認められること
- 判断の材料は「その心身の状況、その置かれている環境その他の事情」
③が関門です。条文は「やむを得ない事由」を定義していません。「心身の状況」「置かれている環境」「その他の事情」という3つの材料を挙げているだけです。
「やむを得ない事由」は誰が判断するか
条文は判断主体も明示していません。実務では、施設の入所判定に市町村が関与する形がとられています。
原則と特例の比較
| 原則 | 特例入所 | |
|---|---|---|
| 対象 | 要介護3・4・5 | 要介護1・2 |
| 根拠 | 施行規則第17条の9 →認定省令1条1項3〜5号 | 施行規則第17条の10 |
| 追加の要件 | なし | やむを得ない事由 |
| 判断の材料 | 要介護状態区分 | 心身の状況・置かれている環境・その他の事情 |
| 誰が判断するか | 要介護認定(市町村) | 条文に明示なし(実務は施設と市町村) |
2026年9月14日に e-Gov法令検索で確認しました。実務の運用は市町村によって違います。市町村の介護保険担当課にご確認ください。
本サイトでは「どういう場合に認められるか」を断定しません。条文に基準が書かれていないため、書けば推測になります。該当しそうな事情があるなら、市町村の介護保険担当課に直接ご相談ください。
相談するときに整理しておくこと
条文が挙げている3つの材料に沿って整理すると、話が早くなります。
第17条の10の3つの材料に沿って整理する
- 心身の状況 要介護認定の結果、主治医意見書の内容、認知症の有無と程度(診断名ではなく、生活への影響)
- 置かれている環境 同居している人の有無、介護できる人の健康状態・就労状況、住まいの構造(段差・階段・トイレ)
- その他の事情 利用できる在宅サービスを使い切っているか、地域に受け皿があるか
- 時系列 いつから、どう変化したか(急に悪化したのか、少しずつか)
- すでに試したこと ケアマネジャーに相談した内容、利用中のサービス
「困っている」だけでは条文の要件に当てはめられません。どの材料に当たるかを分けて伝えるほうが、相手も判断しやすくなります。
状況別の考え方
要介護2で、同居の家族が働いていて日中ひとりになる
要介護1だが認知症で目が離せない
在宅サービスをすでに限度額いっぱい使っている
要介護3になったので特例入所は関係ない
市町村に相談したが取り合ってもらえない
よくある取りこぼし
「要介護3未満は申し込めない」と思っていた
施行規則第17条の10に定めがあります。
特例入所の基準が全国一律だと思っていた
条文は「やむを得ない事由」としか書いていません。運用は市町村によります。
要介護度が上がるのを待つしかないと思っていた
条文は要介護1・2のままでの道を用意しています。市町村にご相談ください。
申し込むだけ無駄だと思っていた
申込みの可否と入所の可否は別です。施設にご確認ください。
特例入所だと費用が変わると思っていた
条文は特例入所について費用の別扱いを定めていません。費用は市町村にご確認ください。
措置入所と同じものだと思っていた
措置入所は老人福祉法第11条第1項第2号の別の制度です。市町村が措置として入所させるもので、申込みによる入所とは入り口が違います。
よくある疑問
どういう事情なら認められますか
特例入所の申込みは普通の申込みと違いますか
要介護1でも認められますか
認められなかったらどうなりますか
誰に相談するのが早いですか
確認に使った一次情報
- 老人福祉法 第11条第1項第2号(措置入所)/第20条の5(特別養護老人ホーム)e-Gov法令検索
- 介護保険法 第8条第22項(地域密着型介護老人福祉施設)・第27項(介護老人福祉施設)/第48条(施設介護サービス費の支給)e-Gov法令検索
- 介護保険法施行規則 第17条の9(要介護状態区分)/第17条の10(特例入所)e-Gov法令検索
- 要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令 第1条第1項e-Gov法令検索
2026年9月14日に e-Gov法令検索で確認した条文です。入所の可否と順番は施設の入所判定委員会が決めます。お住まいの市町村と希望する施設にご確認ください。
申込みの結果を待つ間、在宅をどう支えるか
介護保険で頼めない用事を、保険外のサービスで補う方法があります。対応範囲は事業者により異なります。
- 相談・見積もりは無料です
- 対応できる内容は事業者により異なります
- 掲載内容は各社公式サイトの公表値です
特養の入所要件ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。