探すための道具は制度で借りられる
「いまどこにいるか」を知るための道具は、自治体から借りられることがあります。中野区の徘徊高齢者探索サービスは、スマートフォンアプリで「24時間いつでも高齢者の位置情報を確認することが出来ます」。費用は月額600円(生活保護受給世帯は月額300円)。船橋市は非課税世帯250円・課税世帯500円です。ただし要件があり、対象外になる人がいます。
サービスの内容
実際に確認できた2市区の事業
| 中野区(徘徊高齢者探索サービス) | 船橋市(認知症見守りGPSサポート事業) | |
|---|---|---|
| できること | スマートフォンアプリで24時間いつでも位置情報を確認。コールセンターのサポートも利用可能 | GPS端末の貸与 |
| 機器 | — | 約84×46×16mm、約67g(バッテリー含む)、最大350時間の連続動作 |
| 費用 | 月額600円(生活保護受給世帯は月額300円) | 非課税世帯250円/課税世帯500円(月額・税込み) |
| そのほかの負担 | 「位置検索ごとの負担金はありません」 | 機器紛失時は別途10,000円 |
| 申請先 | 担当区域の地域包括支援センター | 地域包括ケア推進課(持参・郵送) |
出典:中野区・船橋市の公表内容(2026年9月10日確認)。これは2市区の例です。制度の有無・費用・機器は市区町村ごとに異なります。
中野区が「位置検索ごとの負担金はありません」と明記しているのが実務的に大事なところです。探すたびにお金がかかると、心配でも検索をためらいます。定額かどうかを確認してください。
対象になる人
この制度は「本人の要件」と「介護している家族の要件」の両方があるのが特徴です。
中野区の対象要件(公表内容から)
| だれ | 要件 |
|---|---|
| 本人 | 中野区内在住/要支援1から要介護5の在宅で生活している方/認知症により徘徊行動のある65歳以上 |
| 介護者 | 徘徊行動のある高齢者等を日常的に介護している方/所在地が不明となった高齢者等の位置情報を確認後、高齢者等を迎えに行くことができる方 |
出典:中野区「徘徊高齢者探索サービス」。「迎えに行くことができる方」が要件に入っている点に注意してください。遠方に住む家族だけでは要件を満たさないことがあります。
船橋市は「認知症により行方不明になるおそれのある65歳以上の方を在宅で介護している家族の方」を対象とし、特定疾病が原因で40歳以上65歳未満の方を介護する家族も含めています。
費用
自治体の事業なので安いですが、無料ではありません。そして中野区は「サービス利用開始月は無料、解約月は利用日数にかかわらず全額負担」としています。
費用まわりで確認すること
- 月額はいくらか(所得による差があるか)
- 位置検索ごとの課金があるか
- 初期費用があるか
- 紛失したときの負担(船橋市は10,000円)
- 解約月の扱い(中野区は日割りなし)
- 電池の交換・充電は誰がするか
制度の外側に落ちる部分
制度で埋まらないところ
| 場面 | なぜ埋まらないか |
|---|---|
| 要介護認定を受けていない | 中野区は「要支援1から要介護5」を要件にしている |
| 迎えに行ける家族が近くにいない | 中野区は介護者の要件に「迎えに行くことができる方」を挙げている |
| 施設に入っている | 在宅生活が要件になっていることが多い |
| 市区町村に制度が無い | 自治体ごとの事業のため |
| 家の中の様子 | GPSは「外に出たあと」しか分からない |
| 出たこと自体に気づけない | 位置は分かっても、出たタイミングは別の仕組みが要る |
最後の2つが、制度と道具の境目です。GPSは外出後の位置を追うもので、家の中の異変や、出た瞬間には別の手立てが要ります。
「出たことに気づく」ためには、玄関のセンサーや、生活の様子を知らせる仕組みが別に要ります。自治体の貸与事業は、そこまでは見ていません。
家の中の様子と、出たことに気づく仕組み
扉の開閉や在室の様子をセンサーで知らせるタイプの見守りがあります。自治体の貸与事業の対象にならない場合や、外出前の段階を補う選択肢です。
- k
- a
- i
- g
- o
申請の仕方
中野区・船橋市の記載から整理
- 地域包括支援センターに相談する中野区は申込先が地域包括支援センターです。
- 対象要件を確認する本人の要件と、介護者の要件の両方。
- 申請書を出す船橋市は3種類の書類を地域包括ケア推進課へ。
- 審査を待つ船橋市は審査を経て機器が宅急便で届きます。
- 受け取ったら試す実際に持って外に出て、位置が見えるか確認する。
- 充電の担当を決める本人が充電できるとは限りません。
- 家族で使い方を共有する探すのは、そのとき家にいる人です。
状況ごとの考え方
要介護認定を受けていない
遠方に住んでいる
本人が端末を持ち歩かない
充電を忘れる
市区町村に制度が無い
家の中でも心配
よくある取りこぼし
介護者の要件を見落とした
「迎えに行くことができる方」が要件に入っていることがあります。
解約月の費用を知らなかった
中野区は「解約月は利用日数にかかわらず全額負担」としています。
紛失時の負担を知らなかった
船橋市は機器紛失時に10,000円の負担があります。
受け取ってから一度も試していない
いざというときに初めて使うのでは遅い。
本人が持ち歩かないまま放置した
持ち歩き方の工夫か、別の手段(シール)に切り替えてください。
確認の順序
借りるまで
- 市区町村に制度があるか聞く地域包括支援センターが入口。
- 本人と介護者の要件を確認する両方あります。
- 費用を確認する月額・検索ごとの課金・紛失時・解約月。
- 申請する書類と審査。
- 受け取って試す実際に外で位置が見えるか。
- 持ち歩き方と充電を決めるここで続くかどうかが決まります。
- シールと併用するか考える→ 見守りシール
→ 自治体の制度の全体像/見守りシール/位置情報端末の貸与/SOSネットワークの事前登録/個人賠償責任保険/機器の選び方/人に頼む場合
確認に使った一次情報
- 墨田区「認知症高齢者見守りシール事業」墨田区 認知症高齢者見守りシール事業
- 荒川区「認知症高齢者等見守りシール交付事業」荒川区 認知症高齢者等見守りシール交付事業
- 中野区「徘徊高齢者探索サービス」中野区 徘徊高齢者探索サービス
- 船橋市「認知症見守りGPSサポート事業」船橋市 認知症見守りGPSサポート事業
- 横浜市「認知症高齢者等SOSネットワーク」横浜市 認知症高齢者等SOSネットワーク
- 荒川区「認知症高齢者等個人賠償責任保険」荒川区 認知症高齢者等個人賠償責任保険
よくある疑問
費用はいくらですか。
探すたびにお金がかかりますか。
要介護認定がないと借りられませんか。
遠方に住んでいても申し込めますか。
本人が持ち歩かない場合はどうすればよいですか。
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一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。