順番を逆にすると止まる
医療費を10割払ったとき、治療用の装具を作ったとき。先に行くのは市区町村ではなく、加入している健康保険です。板橋区はこう書いています。
健康保険へ保険負担分の払戻し申請をし、保険負担分の支給を受け、健康保険から発行される支給決定通知書(原本)をご用意ください
出典:板橋区「医療費助成における払戻し申請について」
市区町村の助成は「保険が効いたあとの自己負担分」に対するものなので、保険の分が確定しないと計算できません。
お金が戻る順番
10割払ったときの順番
- ① 加入している健康保険に療養費を請求するここが先。国民健康保険なら市区町村の国保担当、勤め先の健康保険なら保険者。
- ② 支給決定通知書を受け取る原本が要ります。コピーでは受け付けられないことがあります。
- ③(あれば)付加給付を受ける健康保険組合によっては、自己負担が一定額を超えると独自に給付します。
- ④ 市区町村に医療費助成を申請する②の通知書を添えて。
- ⑤ 振り込まれる保護者名義の口座へ。
①と④の窓口は、国民健康保険の場合でも担当課が違います。同じ市区町村の中でも、国保担当と子ども医療費助成の担当は別です。
この順番が必要になる場面
健康保険が先になる場面(板橋区の記載から)
| 場面 | なぜ先か |
|---|---|
| 保険資格を示せず10割払った | 保険の7割(未就学児は8割)が確定していない |
| 治療用補装具を作った | 療養費として保険から支給される部分がある |
| 小児弱視等の治療用眼鏡 | 同上 |
| 柔道整復・はり・きゅう等で全額払った | 同上 |
| 3割だけ払った通常の受診 | 保険は効いているので、市区町村への申請だけでよいのが通常 |
出典:板橋区・練馬区の公表内容から整理。10割払ったかどうかが分かれ目です。
治療用装具の場合
練馬区は、必要書類として「診断書コピー(補装具・小児弱視治療用眼鏡の場合のみ)」と「支給決定通知書原本(補装具作成または10割負担時のみ)」を挙げています。
治療用装具で必要になるもの
- 医師の診断書・意見書(作成の理由が書かれたもの)
- 装具の領収書(原本)
- 装具の内訳がわかる書類
- 健康保険からの支給決定通知書(原本)
- 市区町村の申請書
- 保護者名義の口座
診断書・意見書は、作った後では書いてもらえないことがあります。装具を作る前に、医師に「療養費の申請に使う書類が必要」と伝えてください。
付加給付がある場合
健康保険組合には、法定の給付に上乗せする「付加給付」を行っているところがあります。自己負担が一定額(たとえば月2万5千円)を超えると、超えた分が組合から支給される、という仕組みです。
付加給付がある場合、市区町村の助成額はその分だけ減ります。二重に受け取れないためです。市区町村によっては、付加給付の有無を確認する書類を求められます。
勤め先の健康保険組合に付加給付があるかどうかは、組合のホームページか、会社の担当部署で確認できます。
期限は短いほうで決まる
練馬区の記載を再掲します。
医療費を支払った日の翌日から5年以内に申請してください。
ただし、加入健康保険への申請期限は2年以内です。この期限を過ぎてしまうと、練馬区でも払い戻しできなくなります。
出典:練馬区の記載
健康保険への請求ができなくなると、保険の分が確定しないので、市区町村の助成も計算できません。だから区の5年ではなく、保険の2年が実質の期限になります。→ 払い戻しの申請と2つの期限
状況ごとの考え方
先に市区町村に行ってしまった
国民健康保険に入っている
勤め先の健康保険組合に入っている
装具を作ってから相談した
付加給付があるか分からない
2年を過ぎてしまった
よくある取りこぼし
市区町村を先にした
10割払った場合は健康保険が先です。
支給決定通知書をコピーで出した
板橋区は「原本」を求めています。
装具の診断書を取らなかった
作る前に医師に伝えてください。
付加給付を申告しなかった
二重に受け取ることはできません。あとから返還を求められることがあります。
2年の期限を見落とした
健康保険への請求が実質の期限です。
確認の順序
戻す順番を間違えないために
- 10割払ったかどうかを確認するここで分岐します。
- 10割なら健康保険へ国保担当か、勤め先の健康保険組合。
- 支給決定通知書(原本)を受け取る
- 付加給付の有無を確認する健康保険組合の場合。
- 市区町村に申請する通知書を添えて。
- 期限を確認する健康保険への請求は2年以内。
- 振込を確認する
→ 2つの受け取り方/払い戻しの申請と2つの期限/県外受診・医療証を忘れたとき/学校でのけが/お金が戻る順番
確認に使った一次情報
- 練馬区「子ども医療助成費(マル乳・マル子・マル青)の払い戻し(償還払い)申請」練馬区 子ども医療助成費の払い戻し申請
- 板橋区「医療費助成における払戻し申請について」板橋区 医療費助成における払戻し申請
- 独立行政法人日本スポーツ振興センター「給付金額」JSC 災害共済給付 給付金額
- 独立行政法人日本スポーツ振興センター「請求と給付」JSC 災害共済給付 請求と給付
よくある疑問
3割だけ払った場合も健康保険の手続きが要りますか。
支給決定通知書はコピーでもよいですか。
付加給付があると助成は減りますか。
治療用眼鏡も対象ですか。
健康保険への請求はどこでしますか。
子どもの医療費の手続きガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。