助成があるのに、案内されないことがある
高齢者向けの配食に助成を設けている市区町村は多くあります。ところが介護保険の窓口では案内されないことがあります。財源も担当も介護保険とは別だからです。誰が対象で、何を聞かれ、どの順で動けばよいのかを整理します。
案内されないことがある理由
配食の助成は、多くの場合介護保険とは別の一般施策として、高齢福祉の担当課が持っています。介護保険の認定やケアプランの流れには乗ってきません。
厚生労働省の資料でも、配食は「その他の生活支援サービス」という別枠に置かれ、実施主体は「弁当業者等」「任意団体、介護事業所」とされています。介護保険のサービス事業者の一覧に載っていないので、ケアマネジャーの手元の資料にも出てきません。
結果として、こちらから聞かないと出てこない制度になっています。
よくある条件の型
条件は市区町村ごとに違いますが、組み合わせのパターンは限られています。どの型に当てはまるかを先に見当づけると、窓口での話が早くなります。
条件として置かれることが多い項目
| 項目 | よくある置き方 | 確かめること |
|---|---|---|
| 年齢 | 65歳以上 | 夫婦の一方だけが該当する場合の扱い |
| 世帯 | ひとり暮らし、または高齢者のみの世帯 | 同居家族がいると外れることがある。日中独居の扱い |
| 心身の状況 | 調理が困難であること/要支援・要介護の認定 | 認定がなくても対象になるか |
| 所得 | 住民税非課税など | 所得によって自己負担額が変わる形もある |
| 回数 | 週◯回まで、1日1食まで | 上限を超えた分を自費で足せるか |
この表は「聞くべき項目」の一覧です。実際の条件は必ずお住まいの市区町村で確認してください。
とくに見落とされやすいのが「同居家族がいると外れる」という条件です。同居していても日中は誰もいない、家族が高齢で調理できない、という事情がある場合は、その事情をそのまま窓口に伝えてください。事情によっては対象と扱われることがあります。
申請で確認されること
配食の助成は、多くの場合訪問して本人の状況を見る手続きが入ります。書類だけで決まらないのは、「調理が困難であること」を確かめる必要があるためです。
訪問時に見られること・聞かれること
- 台所を使えているか。火を扱えるか
- 冷蔵庫の中身。買い物に行けているか
- 1日に何回、何を食べているか
- 体重が減っていないか
- 同居している人がいるか。日中はどうか
- 食事の制限(塩分・たんぱく質・とろみ)があるか
ここで実態より良く見せようとしないでください。本人が「大丈夫です」と答えてしまい、対象から外れることがあります。同席できる家族がいる場合は、ふだんの様子を家族の側から補ってください。
事業者は自由に選べるか
助成を使う場合、市区町村が登録している事業者からしか選べないことがあります。ここが民間の配食と大きく違う点です。
自治体の助成と、民間の配食の違い
| 自治体の助成 | 民間の配食 | |
|---|---|---|
| 費用 | 助成があり自己負担が下がる | 全額自己負担 |
| 事業者 | 登録事業者から選ぶ | 自由に選べる |
| 献立 | 選べないことが多い | 食種・量を選べる |
| 受け取り | 毎日決まった時間に手渡し | 冷凍でまとめて受け取れるものもある |
| 安否確認 | 手渡しを条件にしている自治体が多い | 事業者による |
| 食事の調整 | 対応の範囲は事業者次第 | 栄養素等調整食・物性等調整食を選べる |
「安い」だけで決まりません。食事の制限がある場合や、受け取りの時間に在宅できない場合は、民間のほうが合うことがあります。
対象外だったとき
助成の対象にならなかった場合、民間の配食を自費で使うことになります。このとき見る点は値段だけではありません。
民間を選ぶときに見落とすところ
配達料が別だと気づかない
1食あたりの表示価格に配達料が入っていないことがあります。1週間ぶんの総額で比べてください。
冷凍庫に入らない
冷凍でまとめて届くタイプは、家庭用の冷凍庫の容量を超えることがあります。届く個数と1個の大きさを先に確認してください。
本人が電子レンジを扱えない
解凍が要るタイプは、本人ひとりでは食べられないことがあります。ヘルパーの訪問時間と合うかを確かめてください。
食事の制限に対応していない
「やわらかい」と「とろみがつく」は別です。飲み込む力に不安があるなら、物性等調整食に対応しているかを確認してください。
解約の条件を見ていない
定期の契約になっているものがあります。入院したときに止められるかを先に聞いてください。
助成と民間を組み合わせる
助成には回数の上限があることが多く、「週3回まで」なら残りの4日が空きます。ここを民間の冷凍配食で埋める組み方があります。
組み合わせの例
助成か民間か、ではなく、どう組むかで考えてください。
助成が週3回・手渡しのとき
助成の献立が選べないとき
入院・退院を繰り返しているとき
家族が週末だけ来られるとき
確認の順序
助成にたどり着くための順序
- 市区町村の高齢福祉担当に電話する(介護保険担当ではない)
- 「高齢者向けの配食の助成制度はありますか」と聞く
- 対象の条件(年齢・世帯・心身の状況・所得)を聞く
- 回数の上限と、自己負担額を聞く
- 登録事業者の一覧をもらう。食事の制限に対応できるかを確認する
- 訪問調査があるなら、家族も同席してふだんの様子を伝える
- 上限を超える日を、民間の配食で埋められるか検討する
→ なぜ介護保険から出ないのか/自治体の助成は誰が対象か/安否確認はどこまでやってくれるか/アレルギー表示は義務か/制限の種類/嚥下対応
助成で埋まらない日を、冷凍の宅配食で埋める
冷凍でまとめて届くので、受け取りの時間に縛られません。栄養価と1食あたりの価格は公式サイトで確認できます。
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確認に使った一次情報
- 厚生労働省「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」guideline_3.pdf
- 厚生労働省 配食事業者向けリーフレットhaisyoku_zigyousya.pdf
- 厚生労働省 老健局振興課「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」0000192996.pdf
- 消費者庁 食品表示食品表示企画
よくある疑問
助成の申請はどこでしますか。
申請してからどのくらいで始まりますか。
同居家族がいます。それでも対象になりますか。
助成を受けながら、別の事業者の配食も使えますか。
入院したら助成は止まりますか。
引っ越したら助成はどうなりますか。
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一次情報の確認先
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